2010年02月26日

復学


『そうだ、もう一度高校へ行こう
それで、今まで長年ずっと引きずってきたケジメをつけよう
3年生の時などほとんど授業に出ていない

アルバムもなけりゃ卒業式も北海道旅行に洒落こんだまま参加しなかった
何だか尻切れトンボのまま今に至りどうにも歯切れが悪い
今こそ心のけじめをつけるべきだ』

そう思い立つと決心した
確か、今日は始業式のはずだ
強引に参加してやろう
その後、教務の職員に説明すればわかってくれる
知り合いもあちらこちらで教頭などやっている

「おお、学生服出してくれるか?」
「何言ってんの 今更学生服なんて・・」
「こんな日もいつか来るかと用意してあるんだよ ほらタンスのその奥」
「あら、ほんと」
「よし、これでいいか
あれ?ズボンはなかったかな・・」
「このブルーはきれいよ あのパープルもおしゃれだわねぇ 確か・・・で買った」
「ちがう!学生ズボンは黒でなきゃ
ちくしょう どうしても黒がないなぁ・・
今日のところはこのグレーのヘリンボーンでこらえてもらおうか
さっ ちょっと行ってくるわ」
「帰りは何時ごろになる?」
「今日は式だけだから昼までと思うよ じゃあね」


「くそ!あいにくの雨か 仕方がない
傘をさして自転車で行くか
何十年ぶりだろうな
もしかして学生服も変わり今時のブレザーになってるかも
しかし、我ながらやたらふけた高校生だぜ
何だか怪しい軍人みたいだ
何とかなるか、世の中も学校も・・

オッと着いたな
大分に昔と様相が違う
中学と小学とも合併したらしい やたら敷地が広くなった
早速遅刻したのでもう誰もいなくて人の気配がない
ちょっとあの女性にきいてみるか

すんません、高校の始業式はどこでやってますか?
え、ずっと向こうの敷地 この校舎の裏手
判りました、ありがとう

雨の中走らせてくれるな
まっ、遅れてきた俺が悪いか
しかし突然に参加して驚くだろうか
反対する理由もないだろうしみんなのお邪魔になるような事はすまい
オッと着いたぜ
みんなは体育館かい
一足先に教室で出迎えるか
俺の教室は・・

あれ?職員室に・・さんじゃないの
確か、高校時代の不良の先輩

どうしたんですか・・さん こんなところで
縁あって今ここで働いている?へぇ判らんモンですな・・
お前こそなんでって?
へぇ 縁あって戻ってきたんですわ
おかしなモンですな
昔はサボって寄り付きもしなかった二人がこんなところで再会ですか
ちょうどよかった 
突然来たので・・サンから言ってもらえませんか?
1年だけ復学したいと
決して迷惑はかけませんから

別にいいけどちょうど担当が戻って来たと・・
あの若いのですか?
じゃあ自分で言いますわ

はじめまして こんにちは
実はかくかくしかじかこうしてああなって・・

まぁ そう言う訳で高校3年生をもう一度やりたいという事です
もちろん年恰好も違いますのは重々判ってます
決して皆さんのご迷惑はかけしません
もう一度学生をやり直すことで心のケジメがつけられるだけですわ
ここはひとつよろしくお願いします」

自分に息子がいればそれぐらいの年の担当者に食い下がった
どうなる事やらだがこうと決めれば後には引けない
すでに今は学生服も廃止され今時のブレザーになってるようだ
これでキャップを被れば国体のアーチェリーのコーチ姿のようだが仕方あるまい
ひんしゅくを買った国母みたいな姿はやめよう
とにかく俺を学校へ入れてくれい!

そんなところで目が覚めた
窓の向こうは雨だった・・ピカボス  


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2010年02月22日

観光和歌山市


昨夜、常連客が来店し4日ほど休暇をとって奈良の友人を訪れたそうだ
ゆっくりと奈良市内を満喫したらしい

感想を訊くとどこも人がいっぱいで賑わっているらしい
観光客も国内、海外からひっきりなしだそうだ
今時のコジャレタたカフェやバーなども活気に溢れているらしい
よく訊くとなるほどと納得がいく
ここ和歌山のようにほとんど地元の馴れ合いだけの
この店のどこがいいのか?とまったく腑に落ちないのではなく
その店独特のオリジナル感がその話しの中から伝わってくる

とにかく外からの人達が街全体を盛り上げているようだ

ひるがえりここ和歌山はどうなってんだ?
奈良に比べ少なくとも海産物では有利なはずだが・・
和歌山市ではほとんど他府県からのお客さんなどほとんど見かけない
駅から降りるとすぐに高野山や熊野古道がある条件なら別だろうが

そこで少し考えてみた
観光和歌山市を・・

まずこの際JRと南海を統合させた新生和歌山駅を起こす
場所は延長して和歌山城の前のバス停の公園前
そこから現代の市駅からJRの駅前までを巨大ショッピングや娯楽を合わせたゾーンにする
もちろんアウトレットや巨大モールもありホテルやイベント会場も集結させる
その後方には商売人が安心して没頭し住む為の商業団地をひろげる

和歌浦湾からマリーナシティまで一帯を繋ぐ遊覧船か観光鉄道を引く
いっその事、加太線までつなぎ市内の海岸線一帯をぐるっと廻れる海岸鉄道でもいい
内川を整備してベニスのバポレットのように和歌山駅から水上バスで出られるのも面白い
和歌浦からマリーナまでを一帯化にしカジノをはじめとして全国規模の
イチダイ観光地に整備してはどうだろう

昔はよかった
御三家どうしたで野放図に今の現状のまま指をくわえこのまま寂びれっぱなしでいいのだろうか?
かつて松下幸之助と反目になってからもう大企業の誘致は望めまい

時の政治家の判断でこうなってしまったのだ
もし、世界の松下 パナソニックの本社屋がこの和歌山市にあれば・・
辺境の山の上に押いやった和歌山大学がこの和歌山市の真ん中にあれば・・
ややこしいところに行ってしまった医大が近くにあれば・・

政治判断とは怖いものだ・・ピカボス



  


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2010年02月17日

愛を読む人

かつて友人に紹介してもらい号泣した『朗読者』の映画化の
『愛を読む人』のDVDがレンタルででてさっそくに昨夜観た

ほぼ内容は原作に忠実につくられていた
しかし、映画だけは理解するのは難しいかもしれない
状況や心理などの細部は小説を読まなければキョトンになるだろうか

感想は以前より明確だった
主人公のふがいなさにつきる
感動の嵐などとうたっているがハッキリ言うとほとんど主人公の男への悔し涙だろう
ストーリーをイチイチ言わないが一人の男のちょっとした勇気がないばかりに
幸薄い女の一生を貶め台無しにしまった
自分の保身と薄っぺらいプライド、そして中途半端に余計な未練の為に・・

観終わった後いつもの真夜中の神社参りをし歩きながら自省する
『お前はどうなんだい?』と・・

確かに他人の事は言えない
自分も何度もここ一番な時に尻込みや泣き寝入りをし
その場をやり過ごしてきたのは確かだ
特に子どもの時はほとんどがそうだった
親、兄弟、教師、友人達 それらの目を意識し自分を騙して
事なかれではっきりとした衝突を避け続けてきた
その結果が自分だけではなく周囲みんなを失望させてきた気がする

大人になって二十歳すぎの頃これではいかんとばかりに吹っ切った時期がある
親には絶縁宣言をして飛び出した
友人ゴッコのふりを続けていた手合いにははっきりと自分を主張してやった
とたんに顔色と態度を変えその上にそれまでの追い討ちをかけてやった
『俺をなめんなよ』とばかりに真っ当で対等関係を突きつけてやった
腹に持っていた今までの矛盾を吐き出してやった
それまでへなへなと擦り寄ってきた奴らが寄り付きもしなくなった
そいつらにうまく利用され続けてきた自分自身と決別し爽快な気分だった

それ以来は色々とあったが自分の後始末さえつければ自分らしく生きられると
納得のいく人生だった気がする
人生の節目節目には言うべき時がありやるべき時が来る
小さな自己保身の為に大きなものを不意にしていまうのが人の世の常だろうか

これからはどうなんだい?と再びの自問自答が続く
『義をみてせざるは勇なきなり』
自分自身にうそはつくまい
その事によってのリスクは恐れまい
そう心中で誓う

無関心ほど周りにとって罪深いものはないのだ・・ピカボス
  


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2010年02月13日

真夜中のロザリータ





誰もいない店内のカウンターの中で目を閉じていると
左目の辺りがチクチクとする
10年ほど以前に疲労の為に患ったヘルペスの名残りだ
あれ以来に身体の疲れが溜まる取と左目の辺りを
センサーのように知らせてくれる

『もうそれ以上はダメですよ~』 とばかりに・・

この間からのヨガだのチベット体操だのが度を過ぎたのか?
しかし、そんな疲労が溜まるほどのものでもない
ホンの10分ほどだし寝る前のストレッチも心地がいい
だが腹回りが短期間でへこむのも異常かもしれない
やはり自分で思う以上に身体は疲れているのか?
これで又持病が再発すれば元も子もなくなる
せっかく調子が出てきたというのに・・

ゆっくりと考えていると合点がいった
本だ
この何日間かで詰めて暗がりで読書している
分厚い本を数冊読んだ
確かに目の辺りがいつもジーンとしている
目的を達したのでホッとしたところだった

原因が判れば気分が楽になり一夜が明けた

今日はおかげで何ともない
何か一つにはまるとのめり込む気性も困ったものだ

以前に前世が見える女性にチベット辺りをボロボロの僧衣を着て
のたれ死んだ僧侶が一番に近いと言われたのを思い出した・・ピカボス  


Posted by pikabosu at 15:46Comments(0)

2010年02月10日

深炒り珈琲



別に無理をしてダイエットで痩せようなどとはまったく思わない
この年恰好で下手に痩せると貧相になるだけだ
「どこか悪いのですか?」
などと訊かれるのがおちだ
しかし、最近はやたらに体が軽くなった

おかしいもので最近体重を落とした客人が増えた
久しぶりに訪れたマイミクの女性も明らかに変貌をとげていた
訊けば最盛期に比べ15キロも違うらしい
見るからにすっきりとし雰囲気も軽やかになっている
類友と言うべきか偶然の一致か
そんな客人が何人かいる
水泳にいそしんでいる客人がいてカニ腹を目指しているそうだ
普通のおじさんが腹だけかに腹も怪しいと思うのだが・・

余分なものをそぎ落とすと確かに気分も変わる
心までも澄み冴えて来る
先日も恒例のチベット体操教室に参加した

あっけないほど簡単だが手応えはずっしりとある
ジムや水泳で何時間かトレーニングした後の余韻を感じる

図書館で借りているキャロライン・メイスのチャクラの本も2冊読破した
今日から中村天風に向かう
文章は判りやすいのだが内容が濃いので再びに紐解きもう一度
読み込み頭で整理しなければ自分のものにはならないだろう

今日から一週間の始まり
深入り珈琲の一杯で渇をいれようか・・ピカボス
  


Posted by pikabosu at 12:59Comments(0)

2010年02月06日

チベット体操




見よう見まねのヨガとチベット体操を始めてほぼ十日が過ぎた
手ごたえは最初からあった
まずは体を柔らかくする事から始めた
まるでほりっ放しの正月の餅のような体の屈伸からだった

昨夜に久しぶりにメジャーで測ってみた
今までに色々とトライしては何も変わらずに嫌気をさしていたのだ
な、なんとウエストが4センチほど減っている
胸囲も3センチほどサイズダウン
確かにズボンのウエスト位置が変化したのを感じていた

恐るべし、チベット体操!
カニ腹ほどではないが明らかに締まってきている
顔の肉も減りやたらにあごが長く強調された気がする
姿勢を良くすることを心がけ腰痛もましになった

動から静に
しなやかに・・
これも今年からのマイテーマのひとつ
いい年になれば体あっての事だと実感するぜ・・ピカボス



  


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2010年02月03日

ロザリータの休日




昨日の休日
夏に海水浴で賑わう海岸に行って来た
もちろん、いつものママチャリで
注文したイギリスのロードレーサーが近くの店にすでにあると
いうのにまだこれで練習段階にあたる
バイクからサイクルに移行するタイミングだけの問題だ
手放したあのバイクの新しい持ち主が決まるまでは次に進めない自分だけのケジメ
それはそれでありだろう
物事には (待ち)というのが長年の経験で必須なのは判っている
そしてタイミング・・

真冬のサーファー達だけがバラバラと黒い海鳥のように海に入っていた
古いユーミンの歌を思い出す

海風を受けながら広大な緑地公園を自転車で走るとトリップした感覚になる
トライアスロンなどに参加している客人がこの前に店で話したのを思い出す

「マスター、これから自転車に乗るのだったらヘルメットは必ずに必要だよ
それから専用のパンツや手袋などの装備・・
それでないとどこに行ってもみんなからは相手にされないよ
少なくともヘルメットを被らないと仲間には入れてくれない」

「何が仲間だあぁ・・
俺は仲間が欲しいなんて一言も言ってないぜ
ただ自転車に乗るだけの話なんだ
よく見かける馬鹿なヘルメットを被りやたらに派手なジャンバーを着て
エセアスリートを気取るつもりなんざさらさらないよ
近所のおっさんがちょっと乗ってきましたで十分じゃないか!」

と以前ならかましていた所だがご忠告ありがとうとばかりに黙って訊いておいた
相手さんは親切で言ってくれているのだから
あたしも成長したものだと心中で自分を褒めてあげる

太ももの後ろの筋肉を意識してペダルをかき上げるとやたらに調子がいいのに気がついた
バイクなら排気量アップほどの効果がある
自慢ではないが尻の下の筋肉など使う機会がないので爺さんの様になっている
この機会にぐっと鍛えてヒップアップと一石二鳥を図ろうか
オカマに目をつけられない程度に・・

いつものビデオショップを経由して図書館に向かう
この前からはまっているチャクラの続編が2冊もあった
それと敬愛している中村天風を2冊と計4冊を借りた
しかし貸し出し期間はほぼ2週間
こんな分厚いのを4冊もとたじろぐ

やってやろうじゃないの!
2週間で完璧とは言わないがきっちり読破して
この際きっちりノートにまとめてやろう
丁度いい 人間期日を切られなければダラダラするだけだ

そんなこんなの新しい一週間の始まり始まり・・ピカボス

  


Posted by pikabosu at 13:30Comments(0)

2010年02月01日

ロザリータの変革



その予感は去年の年末からだった
自分の中の何かの地殻変動を感じた
そんな時の行動は自然に無意識に頭よりも身体から動き
後になって謎解きの辻褄合わせのように頭の中で整理されて答えがでる

22年間自分と寄り添うように連れ添ってきたバイクを突然に手放す気になった
そうと決まれば行動は早かった
翌日には知り合いに電話していた

なぜそんな事を考えた事もなく今まで分身のような存在を消し去る気になったのか?

もちろんそれ自体は申し分もなく気に入ってるし調子も今までで一番にいい状態だ
あのバイクのお陰で数々のいい思い出も出来たし人間関係の幅も増えた
以前からのお客さんにはバイク乗りのマスターで通っている
おそらくあのままでは何も変わらずにツーリングやチョいのり
仲間達やお一人様バイカーで続けていただろう・・

仕事柄色んな人達と話す機会がある
よくいるタイプで多いのが昔話で結局は終始してしまう手合い

『あの頃はよかった・・』
本人さんがそれを言いたいが為に聞き手と多くの時間を浪費させる
それが学生時代であったりバブルの時代であるか

しかし、後は空しいものだ
なぜあんなに深く空しいかと辿ればそのいい時代から未だ抜け出せないまま
本人さんの時間が止まっているからだろう
服装やヘアスタイル、色んなもろもろの過ぎ去った過去を越えられないまま
色あせた武勇伝や古臭い風俗に漂わせているのに
本人さんだけがその時代の残り香にすがり悦に浸る

無意識に『それではダメなんだ!』と・・

10代から延々とバイクを乗り回し
ハーレーに乗るマスターから足を洗った
事あるごとにバイク乗りの習慣から脱却し自分を解放した
それに関するもろもろの物も手放した
後になり気がついたのだがこの年齢になると何かを獲ようとすれば
今持っている何かを手放せねば手に入らない
若い頃のようにあっちもこっちもの時代はトウに過ぎ去ったのだ
それもなく簡単に手に入れられるものなどタカが知れている

今年に入ってからのマイテーマ
躍動 躍進 勇躍
その下に
しなやかに すずやかに 軽やかに が続く
課題のひとつ
チベット体操が今日から始まった
そして『7つのチャクラ』を2度目の読破
別に若作りなどとは考えもない
ただ長年の心身の錆び落しを始めるだけだ・・ピカボス  


Posted by pikabosu at 19:14Comments(0)