2009年12月07日
ロザリータ アーカイブス18

シネマナイトもすでに5年目が過ぎてそろそろ潮時を感じていた
親しい友人からももう手を引いた方がいいんじゃないと忠告される
よその店でも同じ様な事をやり始めたと訊いた
早速この街ではお決まりのパクリが始まったらしい
自分的には後もうひとつの達成感が欲しかった
しかし、こちらの想いとは裏腹に、内容も段々に目減りする気がする
これぞという名画をいくらしても反応がない
それとは関係なくこの時とばかりにドンちゃん騒ぎするグループや
飲み放題だからと延々とやたらにムチャ飲みする手合いが目に付いた
もう連絡をするのもおっくうになる
当初は昔観た映画をもう一度改めて見直そうというコンセプトだったのに
それならもうすでにもう観ただの自称映画好きのマニアとは言うが
自分の部屋で一人で観るのがいいとか
このプロジェクターいくらするの?
など別なところに行ってしまう
要するにイベントとしての楽しみ方が何度繰り返しても
伝わらなかったと冷静に判断するしかない
ある日に珈琲を飲みながら昔からのお客さんで
何度か参加してくれているお客さんに尋ねた
「今回はどう?」
「でも映画するだけやろ」
こつちはそれだけではなく何日も前から準備、飲食一切を同時進行でやってきた
それを今更映画するだけやろと言われるとは・・
お客の心理とはそんなドライなものか
それからは無意識にやめるきっかけを探すようになった
ちょうど10月の下旬の頃になる
シネマナイトと親父の危篤が重なった
後ろ髪を引かれる思いで病院から戻り準備をした
その日はそこそこに予約が入っていたのだ
ふたを開けるとドタキャンが相次ぎお客は一人だけになった
仕込みし用意していた何人分かのフードをすべてゴミ箱に叩きつけた
それでも映画会は催した
そしてそれを最後にした
翌日病院に駆けつけるともう病人さんの意識は2度と戻らなかった
瀕死の親父からの聞こえない言葉がおぼろに聞こえた
「そんなお遊びはもうそこまでにしとけ」
月が代わりしばらくして2度と帰らぬ故人となった
そして、プロジェクターもスクリーンも眠らせて
一切のイベント事から手を引いた・・ピカボス
Posted by pikabosu at
16:02
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